効果的な英語の学習法 - 応用言語学を活用しよう

応用言語学という学問があって、その中に第２言語習得（SLA = Second Language Acquisition）という分野があります。
英語のリスニングとスピーキングを研究して、効果的な学習法をした方がいいよねという学問です。

言語はどのように学ばれるか――外国語学習・教育に生かす第二言語習得論

リスニングとスピーキングのプロセス

■リスニング処理*1

1. 音声知覚(perception) - 音声を情報として認知する
2. 分析(persing) - 音声情報を単語や文保を分析する
3. 意味理解(utilization) - 内容を理解する

■スピーキング処理*2

1. 概念化(conceptualization) - 内容を決める
2. 形成化(formulation) - 英文を組み立てる
3. 音声化(articulation) - 発話する
4. 自己モニター(self-monitoring) - 誤りに気づく

オンラインも含めて英会話スクールが盛んだが、英語は自習が大きなウェイトを占める。学習の基本は大量のインプットと適量なアウトプットだ。インプットは自習でできることで、アウトプットは誰かと会話。感覚的には９：１くらいでも。スクールで満足していると90％もの成長機会を逃している。

— 水元清 (@mizumotok) 2018年4月17日

【リスニングの過程】

1. 音声を発する（相手or録音声）
↓
2. 音が何であるか聞き取る
↓
3. 意味を理解する（その語順のままで）

ただ聞き流すのは1.で終わって、肝心の2と3が鍛えられない。
2を鍛えるにはシャドーイング。
3を鍛えるには単語とグラマーの勉強（つまり中学英語）と多読。

— 水元清 (@mizumotok) 2018年4月17日

【スピーキング】
1. 何を言うか考える=概念化
↓
2. 英文を組み立てる=形成化
↓
3. 声に出す=音声化

2.は英作文の訓練、3.は英文音読が効果的。
音読は声に出しての読書なら「意味理解」の訓練と一石二鳥だし、シャドーイングなら「音声知覚」の訓練と一石二鳥。 https://t.co/lvaSUvbwZN

— 水元清 (@mizumotok) 2018年4月19日

英語学習法図解

図にするとこんな感じです。

単語、文法・・・

英単語や文法は最初に、そして継続的に勉強しないといけません。
少なくとも中学英語は習得しておきます。

TOEIC L & R TEST 出る単特急 金のフレーズ (TOEIC TEST 特急シリーズ)

1駅1題 新TOEIC TEST文法特急

シャドーイング

「音声知覚」「分析」「音声化」の訓練。
シャドーイングはスクリプトがあるものがいいです。
TEDはおすすめ。
１分程度に区切ったものを毎日１時間くらいできるといい。

速さについていくには、発音も大事です。特に音の連結・消失は意識して。

英語耳[改訂・新CD版] 発音ができるとリスニングができる

英作文

「形成化」の訓練。
英作文は瞬間英作文が一番いいです。これをみっちりやれば本当に口から英語が文章として出てくるようになります。
１日１時間目標。

どんどん話すための瞬間英作文トレーニング (CD BOOK)

多読

「分析」「意味理解」の訓練。
とにかくたくさん読みます。
100万語読めば、英語を英語の語順のまま理解できるようになるとか。つまり、リスニングのスピードについていけるようになります。
簡単すぎても難しくてもダメで、８割以上の語彙が分かるレベルがよいです。
ラダーシリーズやPenguin Readersは語彙レベル別になっているのでとっつきやすいです。

オンライン英会話

「概念化」の訓練。
もちろん「形成化」「音声化」の訓練にもなりますが、「概念化」の学習目的としては最適。通学の英会話スクールでもいいけど、毎日やるにはオンライン英会話がいい。
NativeCampが毎日何度でも受講可なのでおすすめ。１日１回予約して確実に受講するなら同じ価格のDMM英会話がよい。

英語上達完全マップ（参考）

英語上達完全マップでも同じような学習法になっています。

英語上達完全マップ―初級からTOEIC900点レベルまでの効果的勉強法

あとは頑張るのみ

最初のうちは毎日３時間×２ヶ月頑張りましょう。
習慣化できれば後は楽になります。

英語教師のための第二言語習得論入門

*1:Anderson (1985, 2000)

*2:Lovelt (1989)